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書評・映画レビューが中心のこだわりが強いブログです

日本文学

【書評】 谷崎潤一郎対談集(藝能編) 編者:小谷野敦、細江光 評価☆☆★★★ (日本)

谷崎潤一郎対談集 - 藝能編 作者: 小谷野敦,細江光 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2014/09/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 谷崎潤一郎の対談集。谷崎の作品を数多く読んできた私だが、対談は初めてである。この対談集は「…

【書評】川端康成初恋小説集 著者:川端康成 評価☆☆★★★ (日本)

川端康成初恋小説集 (新潮文庫)作者: 川端康成出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/03/27メディア: 文庫この商品を含むブログを見る川端康成は幼少期に父母に死なれ、姉や祖父母にも死なれ、幼くして天涯孤独の身となった。彼の小説にまとわりつく死の匂い…

【書評】 山の音 著者:川端康成 評価☆☆☆☆☆ (日本)

山の音 (新潮文庫) 作者: 川端康成 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1957/04/17 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 77回 この商品を含むブログ (54件) を見る 『山の音』は川端康成の長編小説で、文庫版の解説者である山本健吉によると現代日本文学の最…

【書評】 春琴抄 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆☆☆★ (日本)

春琴抄 (新潮文庫)作者: 谷崎潤一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1951/02/02メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 115回この商品を含むブログ (190件) を見る『春琴抄』は、鵙屋春琴伝という架空の伝記を元に、春琴という盲目で美しい琴の師匠と、その弟子…

【書評】 新撰組 幕末の青嵐 著者:木内昇 評価☆☆☆★★ (日本)

新選組 幕末の青嵐 (集英社文庫) 作者: 木内昇 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2009/12/16 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 10回 この商品を含むブログ (12件) を見る 私は学生時代に歴史が苦手であったし、今でも得意ではない。そのせいか歴史小説を…

【書評】 鍵・瘋癲老人日記 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆☆☆★ (日本)

鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫) 作者: 谷崎潤一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1968/10/29 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (34件) を見る 谷崎潤一郎晩年の作品『鍵』と『瘋癲老人日記』の2編を収める。『鍵』は初老の、…

【書評】 聞書抄 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆★★★ (日本)

聞書抄 (中公文庫) 作者: 谷崎潤一郎 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2005/09/25 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (4件) を見る 中公文庫版 『聞書抄』には表題作の他に3編の短編が収められている。いずれも小品といっ…

【書評】 眠れる美女 著者:川端康成 評価☆☆☆☆★ (日本)

眠れる美女 (新潮文庫) 作者: 川端康成 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1967/11/28 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 102回 この商品を含むブログ (89件) を見る 『眠れる美女』(新潮文庫)は川端康成の短編集で、表題作の他に、『片腕』および『散り…

【書評】 細雪 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆☆★★ (日本)

細雪(上)(新潮文庫) 作者: 谷崎潤一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/08/09 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (2件) を見る 細雪(中)(新潮文庫) 作者: 谷崎潤一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/08/09 メディア: Kindle版 …

【書評】 潤一郎ラビリンス<11>銀幕の彼方 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆☆☆★ (日本)

潤一郎ラビリンス〈11〉銀幕の彼方 (中公文庫) 作者: 谷崎潤一郎,千葉俊二 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1999/03/18 メディア: 文庫 クリック: 1回 この商品を含むブログ (6件) を見る 私が初めて買った『潤一郎ラビリンス』がこの11巻である。…

【書評】 潤一郎ラビリンス<12> 神と人との間 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆★★★ (日本)

潤一郎ラビリンス〈12〉神と人との間 (中公文庫) 作者: 谷崎潤一郎 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1999/04/18 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (7件) を見る 『潤一郎ラビリンス』はたいがい短編集だが、<12>は『神と…

【書評】 猫と庄造と二人のおんな 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆☆☆★ (日本)

猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫) 作者: 谷崎潤一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1951/08/25 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 67回 この商品を含むブログ (78件) を見る 『猫と庄造と二人のおんな』は、谷崎潤一郎の中編小説である。1936年に…

【書評】 潤一郎ラビリンス〈8〉犯罪小説集 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆☆★★ (日本)

潤一郎ラビリンス〈8〉犯罪小説集 (中公文庫)作者: 谷崎潤一郎,千葉俊二出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1998/12/18メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (7件) を見る谷崎潤一郎の犯罪小説集。ミステリーを読まない私だが、谷崎や乱歩など…

【書評】 潤一郎ラビリンス<4> 近代情痴集 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆☆★★ (日本)

潤一郎ラビリンス〈4〉近代情痴集 (中公文庫) 作者: 谷崎潤一郎,千葉俊二 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1998/08/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 『潤一郎ラビリンス<4>』は「近代情痴集」という副題である。「懺悔話」「憎…

【書評】 カブールの園 著者:宮内悠介 評価☆★★★★ (日本)

カブールの園 (文春e-book)作者: 宮内悠介出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2017/01/11メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見るSF作家の宮内悠介は、本作で三島由紀夫賞を受賞した。三島由紀夫賞は純文学の賞だから、宮内は異なる分野の作家な…

【書評】 潤一郎ラビリンス<1> 初期短編集 評価☆☆☆★★ (日本)

潤一郎ラビリンス〈1〉初期短編集 (中公文庫) 作者: 谷崎潤一郎,千葉俊二 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1998/05/18 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 6回 この商品を含むブログ (8件) を見る 谷崎潤一郎の初期短編集。初期短編の中でも有名な『刺…

【書評】 蓼喰う虫 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆☆☆★ (日本)

蓼喰う虫 (1985年) (岩波文庫)作者: 谷崎潤一郎,小出楢重出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1985/09/17メディア: 文庫この商品を含むブログを見る谷崎潤一郎の『蓼喰う虫』。文庫版では、新潮社版と岩波版の2種類があるが、断然岩波版が良いだろう。岩波版は…

【書評】 宴のあと 著者:三島由紀夫 評価☆☆☆☆☆ (日本)

宴のあと (新潮文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1969/07/22 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 25回 この商品を含むブログ (51件) を見る 本作は、政治を、迸る詩情と冷然たるリアリティと共に描いた傑作である。三島由紀夫の詩的…

【書評】 仮面の告白 著者:三島由紀夫 評価☆☆☆☆☆ (日本)

仮面の告白 (新潮文庫)作者: 三島由紀夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/06メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 190回この商品を含むブログ (208件) を見る三島由紀夫の『仮面の告白』を数年振りに再読。本作は、三島の半自伝的小説と言われている。詩的…

【書評】 蠕動で渉れ、汚泥の川を 著者:西村賢太 評価☆☆☆★★ (2016年)

蠕動で渉れ、汚泥の川を (集英社文芸単行本) 作者: 西村賢太 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/08/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る blog.goo.ne.jp 西村賢太なんか全く興味がなかったのに、筆者が愛読している書籍・映画評ブログ「ア…

【書評】 しろいろの街の、その骨の体温の 著者:村田沙耶香 評価☆☆☆★★ (日本)

しろいろの街の、その骨の体温の (朝日文庫) 作者: 村田沙耶香 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2015/07/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (9件) を見る 小学校4年生から、中学2年生にかけての一人称のシンプルな物語で、「女性の性への目覚…

【書評】 ぼく東綺憚 著者永井荷風 評価☆☆☆☆★ (日本)

濹東(ぼくとう)綺譚 (岩波文庫) 作者: 永井荷風 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1991/07 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 89回 この商品を含むブログ (66件) を見る 荷風は、ニーチェと共に若い時分の筆者にとって反時代性の象徴のような存在だった…

【書評】 斜陽 著者:太宰治 評価☆★★★★ (日本)

斜陽 (角川文庫)作者: 太宰治出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2012/10/01メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る『斜陽』は太宰治の代表作のひとつで当時のベストセラー小説にして、筆者が最も嫌いな小説だ。もうひとつの代表作『人間失…

【書評】 コンビニ人間 著者:村田沙耶香 評価☆☆☆☆☆ (日本)

コンビニ人間 作者: 村田沙耶香 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/07/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (53件) を見る 普段、筆者は近年の芥川受賞作など読まないし、読んだところで高い評価をしない場合が多い。ストーリーに起伏がなかった…

【書評】 キャラクターズ 著者:東浩紀、桜坂洋 評価☆★★★★ (日本)

キャラクターズ (河出文庫) 作者: 東浩紀,桜坂洋 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2012/07/05 メディア: 文庫 クリック: 11回 この商品を含むブログ (12件) を見る 批評家・東浩紀とラノベ作家・桜坂洋による共作。小説の体裁を取っているけれど、中…

【書評】 真昼の悪魔 著者:遠藤周作 評価☆☆★★★ (日本)

真昼の悪魔 (新潮文庫) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1984/12 メディア: 文庫 クリック: 2回 この商品を含むブログ (7件) を見る 田中麗奈主演でドラマ化もされている『真昼の悪魔』の原作小説。著者は遠藤周作。 推理小説の体裁を取って…

【書評】 トリップ 著者:角田光代 評価☆☆★★★ (日本)

トリップ (光文社文庫)作者: 角田光代出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/02/08メディア: 文庫 クリック: 22回この商品を含むブログ (51件) を見る地方都市を舞台にした連作短編集。各短編に多少の繋がりはあるものの、ストーリーの構造に関連があるのでは…

【書評】 夢の浮橋 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆☆★★ (日本)

夢の浮橋 (中公文庫) 作者: 谷崎潤一郎 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2007/09/22 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (12件) を見る 谷崎純一郎後期の短編『夢の浮橋』と4つの随筆を収めた作品集。『夢の浮橋』発表時…

【書評】 対岸の彼女 著者:角田光代 評価☆☆☆☆★ (日本) 

対岸の彼女 (文春文庫) 作者: 角田光代 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2007/10/10 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 70回 この商品を含むブログ (171件) を見る 『対岸の彼女』は女性心理を鋭く描いた良作である。エンターテインメント作品を賞の対…

【書評】 六〇〇〇度の愛 著者:鹿嶋田真希 評価☆★★★★ (日本)

六〇〇〇度の愛 作者: 鹿島田真希 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2005/06 メディア: 単行本 クリック: 5回 この商品を含むブログ (49件) を見る 小説であり映画でもある『ヒロシマ、モナムール』を読み、あるいは鑑賞したことはなくとも、その名前は知っ…

【書評】 ひとり日和 著者:青山七恵 評価☆★★★★ (日本)

ひとり日和 (河出文庫)作者: 青山七恵出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/03/05メディア: 文庫 クリック: 21回この商品を含むブログ (24件) を見る青山七恵の芥川賞受賞作の表題の他、一つの短編が収められている。 初めに言っておくと、俺は現代日…

【書評】 十年後のこと 著者:東浩紀、円城塔、横尾忠則ほか 評価☆☆★★★ (日本)

十年後のこと 作者: 東浩紀,絲山秋子,岡田利規,角野栄子,長嶋有,中村文則,姫野カオルコ,松田青子,森絵都,横尾忠則 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/11/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 「十年後」を題材に小説家、評論家…

【書評】 痴人の愛 著者:谷崎潤一郎 評価☆☆☆☆☆ (日本)

痴人の愛 (新潮文庫) 作者: 谷崎潤一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1947/11/12 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 123回 この商品を含むブログ (228件) を見る 久しぶりに谷崎潤一郎の『痴人の愛』を読んだ。谷崎らしい唯美主義・耽美主義が如実に表…

【書評】 鏡子の家 著者:三島由紀夫 評価☆☆☆★★ (日本)

三島由紀夫の『鏡子の家』を読んだ。新潮文庫にして600ページ超の大作。「みんな欠伸をしていた」という象徴的な言葉から始まる、虚無的な物語だ。 ■物語 鏡子という30歳くらいの資産家のシングルマザーの元に集まる4人の男たちを通して、第二次大戦後、経済…

【書評】 『海と毒薬』『死海のほとり』 著者:遠藤周作 評価☆☆☆★★ (日本)

『海と毒薬』 熊井啓により映画化もされた名高い中編小説。戦時中の九大医学部で起こった生体実験に取材したフィクションだ。キリスト教については、『沈黙』に比べると穏やかな言及に留まる。『沈黙』でキリスト教信仰についてどっぷり浸かって、ちょっと遠…

【書評】 沈黙 著者:遠藤周作 評価☆☆☆☆☆ (日本)

遠藤周作の『沈黙』を読んだ。 ストーリーが面白くて5時間くらいで読めた。文庫本で290頁くらいの小説なのだが。 結果、遠藤周作は、W.バロウズやピンチョン、谷崎潤一郎、三島由紀夫等と共に俺の好きな作家になりそうだ。だって、もっともっと読みたいと思…

【書評】 ニッチを探して 著者:島田雅彦 評価☆☆☆★★ (日本)

ニッチを探して 島田雅彦 著超久しぶりに読んだ島田雅彦の長編小説。彼の作品を読むこと自体、10年ぶりくらいになるかな?日経の書評に出ていて、会社を辞めてホームレスになる話だったので、会社を辞めたい俺としてはそういう話にピンときちまうので、図書…