ももでちっそく

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1984年

1984年は、ようやく、主人公が、自分に好意を持っている女とデートするところまで進めた。

にしても、ソ連全体主義をイメージしているとはいえ、たかがデートするために、こうも人目を気にしないといけないってなぁ(笑)
哀しみというよりも、むしろ滑稽さを感じさせられる。
ディストピアであるから、この滑稽さも作者の意図するところなのだろうが。

この作品は、タイトルが1984年ということで、時代も1984年という設定なのだが、主人公は物語が始まって早々に、本当に1984年かどうかは分からないなどと言う。
それは、政府が年代を詳細には定義しないからだ。
そして、政府によって情報が隠されているから、自分の生きているこの1984年が、昔に比べて良い時代だったかどうか、分からない。
どうにかして本当の情報を知ろうと、主人公は悪戦苦闘する...

なかなか世界の秘密なんていうものは、分かるはずもないというのは、1984年の主人公でなくても感じさせられることだから、今の俺の精神状態にも通じるものがある。

早くこれを読んでしまって、控えている村上春樹訳チャンドラーの「さよなら、愛しい人」を読みたい。