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【映画レビュー】 土竜の唄 評価☆★★★★ (日本)

 

 『土竜の唄』という映画を見たけれど最悪な出来だった。三池崇史監督作品にアタリはないということか。

漫画が原作なんだが、「ああ、あるある、こういうくっだらねぇ漫画」って感じのを映画化したっていう印象。俺の苦手なタイプの漫画。それを俺が嫌いな三池が監督したんだから、面白いはずがないよな。

こんなのが興行収入20億円以上のヒット作なんだから、笑えない。三池はお金を稼げる監督なんだね。だから駄作を作るのに映画を撮ってしまう。こんな映画でもヒットすれば続編が作られてしまうのだ。

20億円っていったら、世界のキタノの最近のヒット作『アウトレイジビヨンド』(14億円)を大きく上回る金額だ。

殺し屋1』と『SABU』くらいかな、まともなのは。評判の『十三人の刺客』は見ていない。

 

冒頭からしてつまらない。クルマのボンネットに生田斗馬をしばりつけて、猛スピードで疾走するのだが、CGで撮ったようにしか見えない。まったくの非リアリティ。漫画をそのまま実写にすると、つまらなくなる見本だ。

 

堤真一が序盤から、生田に、「面白いことをしろ」と言う。生田が自らの腹を短刀で裂いて、堤のトレードマークである蝶と、内臓の腸とをかけたギャグを披露するのだが、これの何が面白いのか。

会長の目の前で、大杉蓮演じる組長と生田が盃を交わすシーン。ここで伊吹吾朗が、「盃を交わしたら盃を懐におさめろ!」と生田に怒鳴る。意味の分からない生田は、盃をかみ砕いて食べてしまう。そして、これの何が面白いのか。

 

全編、こんなシーンがいくつも続くのである。

こんな映画ばかり撮っているから三池は駄作監督の汚名を着せたくなる訳だ。ヴェネチアのコンペに出しても、『スキヤキ・ウエスタンジャンゴ』の様な、殺風景な映画を撮ってしまう。

 

俳優は非常に豪華。主演の生田を始め、堤真一山田孝之、大杉蓮、仲里衣紗、上地雄輔矢島健一遠藤憲一、伊吹吾朗など錚々たる顔ぶれだ。配役も見事でこの俳優ならこの役にぴったりという役を演じていた。

唯一、会長役の岩城滉一は年を重ね過ぎたか。凄みがない。

しかし、こんなつまらない映画に、これほどの豪華な俳優陣は不要である。キャリアのシミにしかならない。

 

三池よ、もう映画を撮るな。才能は無い。