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ももでちっそく

書評・映画レビューが多くなってきましたが、雑記ブログです。口が悪いので酷評することも多いです。すきなひと、さーせんね。

同一労働・同一賃金を分かり易く知るには?

経済・ビジネス

安倍首相が度々、色んな場所で言及している「同一労働・同一賃金」って一体何だろう?って思った時に分かり易く解説しているのが、日本総研チーフエコノミスト:山田久さんのレポートだ。

 

日本総研レポート◇

http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/researchfocus/pdf/8773.pdf

 

これによれば、全ての労働者が「同一労働・同一賃金」になるのか?といった極端な議論に突き進むことなく、具体的に日本が進めようとしている「同一労働・同一賃金」の姿が明らかになる。それと共に日本における「同一労働・同一賃金」はどのような方向性をつかむべきかが示される。

バブル経済の崩壊や非正規労働者の増加、男女の就業形態の変化等の経済史的な背景もざっくり説明してくれる。この背景の下に、雇用形態・企業規模・男女間での公平性が問われるようになり、そこにこそ「同一労働・同一賃金」が求められる理由があるというのだ。

 

面白いのは、職務給制度を人事制度に採用している欧米と、年功的賃金制度を採用しがちな日本において、同一労働・同一賃金を採用することで生じる影響について触れているところだ。もし同一労働・同一賃金の旗印の下に、正社員賃金における年功的要素が修正されていくと、中高年層の基礎的生活費をどう手当てするかが社会問題化してくるという指摘がそれである。

 

そういった日本固有の問題をあぶり出したところで、先進事例に触れていく。先進事例は広島電鉄りそな銀行の2社である。

先進事例に触れる事前の情報共有として・・・日本においては、「合理的理由のない不利益はなくす」考え方を基礎に、同一労働・同一賃金を目指すべきである。その際、①合理的理由のある不利益をどう定義するか?②同一労働・同一賃金化→正社員賃金カーブのフラット化(要は年功的賃金でなくなる)にどう対処するか?という論点を抑えて対応するべきなのだ、と指摘する。

 

1.広島電鉄非正規社員と正規社員との賃金制度の統一→賃金格差の是正

抜本策を講じる荒療治のみならず、経過措置・定年年齢の引き上げのような補償措置も講じる

2.りそな:非正規社員・正規社員共通の職務等級制度を導入

広島同様に補償措置あり。イレギュラーな仕事の負担は正規社員が担うので、正規社員のみボーナス・退職金がある

 

こんな感じで日本固有の問題を具体的に掘り下げ、先進事例を列挙しながら同一労働・同一賃金を紹介している。読み易くてお勧めだ。