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セックスをすれば男は自分に優しくなる

zasshi.news.yahoo.co.jp

 

これは面白い記事だ。下手なエンタメ小説よりもよほど面白い。この女性の特異なキャラクターと歪んだ思考は魅力だ。アウトデラックスに出た方が良いかもしれない。俺はこういう狂った人間を見るとテンションが上がる。笑ってしまって仕方がない。

あまりにも面白いので、俺の小説の題材にしたくなる。

 

 

阪大院を卒業した33歳の女性は、学生時代からいじめに遭っていた。就職した上場会社でもいじめやパワハラに遭い、29歳で退職している。女性はコミュニケーション力がないと自覚する。そのせいでいじめやパワハラのターゲットになった。リスカなどの自傷行為もしていて、今も傷跡が残る。

現在の仕事は非正規の工場勤務者で、年収は200万円ほど。工場の前は非正規の介護職に就いていたというから、29歳で上場会社を退職した後は、非正規の仕事を続けていることになる。

新興宗教にハマっていて、取材した女性記者にも勧誘するほどだ。上場会社でいじめやパワハラに遭った原因は、コミュ力にもあるだろうが、彼女の信仰がバレてしまったのも大きい。上司に、「お前は、バイ菌みたいな女だ。臭いし、消えろ」というのだから凄い。

 

女性は、童顔で年齢よりも若く見えるという。しかもかわいらしい。写真の女性が当人だとすれば、形の良いバストショットはなかなかセクシーだ。かわいくてセクシー、しかし貧困でコミュ力がなくていじめられっ子体質。レールを外れてしまうと人間は幸福になることはできないのか。俺は記事を読んでいてそう思った。

 

しかしながら、この記事のタイトルの奇妙なアンバランスは何だろう?不幸に見える環境なのに、「明る過ぎる」と表現する。パラドクスのような世界へのいざないを感じる。

 

彼女はある時セックスに覚醒するのだ。セックスは女性に「明る過ぎる」表情をもたらす。信仰している宗教よりも、彼女の生きがいとなっているのはセックスだ。3年間も介護の仕事でいじめやパワハラ長時間労働、残業代不払いの過酷な環境を強いられても耐えられたのは、彼女にセックスがあったからである。

 

なぜこんな仕事を3年も続けられたのかと聞く記者に、彼女は堂々と笑顔で、「セックスを覚えたからです!」と告げるのだ。

 

介護職時代に、年上の先輩とひょんなことから一緒に帰宅することになり、公園でセックスした。先輩も職場の流れに乗って女性に横柄な態度を取っていた人物であった。そうしたらその後、その先輩が急に優しくなったというのだ。セックスをすれば、男性は自分に優しくなることを覚えた女性。いじめられ、怒鳴られ、パワハラをされ、違法な労働環境の辛さを耐え抜くには、こうした価値の転換が必要だった。

 

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女性は先輩とその後何度もセックスを重ねるが、だんだん詰まらなくなる。相手は職を転々とするフリーターで、低学歴であった。女性は頭が良くない男性にはあまり関心が持てない。好きにはなれないからだ。

それで結局別れを告げたら、先輩は逆上して、なんとフリーターからストーカーになってしまうのだw

女性は幼い頃からいじめられ、社会人になってからはパワハラまでされ、過酷な労働環境を強いられてきた。日蔭者のような人生だったが、ここへ来てストーカーされてしまう。ストーカーされるということは犯罪の被害者になるということであるが、一方では、男性から欲望されるという形で女性に一種の満足感を与える。もちろんストーカーは許されることではないし、女性にとっては恐怖感を覚えるけれど、日蔭者だった女性にとって、自分がストーキングされる存在を自覚することは、快感を覚えることでもあったはずだ。

 

この先輩を契機に、女性は介護の職場で男たちと次々とセックスする。あたかもAVのようにかわるがわる男たちとセックスを重ねていく。そうすれば男が自分に優しくなるということを、知ったからだ。

年上の男性が好きで、そういう男性とセックスして、優しくなることを知って快感を覚える。そして飽きたら振る。多分この女性の父親は厳格で、女性に辛く当って来たことだろう。パワハラモラハラのようなことをしてきただろう。記事には書かれていないが、そのように思う。父を超えることができないので、いつまでも父の代替者である年上の男たちに依存する。男が優しくなるということは、父が優しくなることと同義だ。

 

ある種悲劇的な女性だとは思う。「男が優しくなる」ことを目指して、セックスをするからだ。目的が金の売春婦とあまり変わりはない。身体と引き換えに、金ではなく、人間の心を受け取る売春婦。なかなかに興味深い事例だ。

いじめられ、自分の意思が出せない女性が、他者に承認されたいばかりにセックスを重ねる。セックス依存の事例の一つではあるが、この女性の場合、貧困・いじめ・コミュニケーション力不足・宗教・明るさという、特異なポイントがあって、記事を読んでいるだけで想像力が掻き立てられる。この女性を題材に小説を書きたいとすら思えるほどだ。

 

女性は介護の職を辞めた後、工場労働者となる。相変わらず宗教活動を続けていたのだが、そこで出会った83歳のインテリ男性と出会う。彼はスペイン語が堪能で、インテリだから、女性の趣味にも合うのかもしれない。しかも50歳の年の差とは、究極の「父」である。「僕のカラダに思い出をたくさん残してください」とスペイン語で言い放つ83歳の彼氏との交流は、セックスを通り越して、ようやく恋愛に至ったのかもしれない。

 

ああ、朝から本当に刺激的だったwwwww素晴らしい!マエアツの毒島ゆり子なんて、全然エロくないしリアルではないと思っているが、ドラマの制作者たちは、こういう記事を参考にしてもらいたいものだ。

ビートたけしが昔何かの本で言っていたが、人は動物園に行く時、犬や猫を見に行く訳ではない。ライオンやコブラを見に来ると。確かにその通りで、人は平常な日々を送っているだけでは満足しきれない。どこかで異常なものを見たいのだ。それは凶暴であったり猥褻であったりする。その衝動は抑えられないもので、むしろ抑えてはならぬ。だからこそ、そういったものを肩代わりする人間が必要だ。全員がライオンやコブラになれないからこそ、誰かが凶暴に、猥褻に、ならざるを得ない。しかし中途半端なものでは、ライオンの着ぐるみを着たネコであることがバレてしまう。本物の凶暴性・猥褻性を示すには、徹底しなければならないのだ。そういう意味で、この記事の女性は徹底している。だから、面白い。

 

俺が好きなバロウズ・ピンチョン・三島由紀夫谷崎潤一郎蛭子能収・phaなどは皆徹底している。だからこそ面白いのだ。