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【書評】 行動経済学の逆襲 著者リチャード・セイラー 評価☆☆☆☆★ (米国)

 

行動経済学の逆襲

行動経済学の逆襲

 

 行動経済学に関する一般向けの本。行動経済学の誕生から発展まで、行動経済学の研究者である著者の人生に絡めて詳細に書かれている。セイラーの語り口はユーモラスで読み物として面白い。

 

行動経済学の基本的な考え方は本書1冊で事足りるように書かれているので、学問的ではないが思想のエッセンスを知るには十分である。ノーベル経済学賞受賞者のカーネマンによる『ファスト&スロー』は、筆者は未読だが、文庫でも2分冊なので、1冊で読める本書の方が、効率的な読み方ができるような気もする。

 

単行本にして448ページと、ちょっと長いし、くどいのが難点で☆を1つ減らした。セイラーは行動経済学の権威で、一般向けの書物を何冊も出版している。本書もその一翼だが、権威だからといって長ければ良いと言うものではない。書き過ぎるのは良くないと思うからだ。