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【書評】 人生確率論のススメ〜運でなく、確率を支配しよう〜 著者:勝間和代 評価☆☆★★★ (日本)

 

人生確率論のススメ (扶桑社新書)

人生確率論のススメ (扶桑社新書)

 

 

私はバラエティ番組をほとんど見ないので、勝間和代をテレビで見たことがない。だが最近ネットのニュースで、「勝間和代が五反田にあるボードゲーム店のオーナーになった」ということを知ったので俄かに関心を持ち、図書館で本書を借りて読んでみた。ボードゲーム店の代表者コメントとして勝間は、「ゲームの効用に関しては、みな誤解していますが、なんと、スポーツや瞑想以上の脳トレの効果があります。若返りにも、健康維持にも、すべてに効きます。しかもたのしいものです」と言っていて(ホームページ参照)、なぜゲームに脳トレの効果があるのかサッパリ分からないことを言う。若返りや健康維持に効くとも言っていて、マルチビジネスみたいで気持ち悪い。そこまでして自分の店に来てほしいのか?


報道によれば最近はあまりテレビに出演していないようで、「あの人は今」状態になっているのかと思いきや、家事の本などを出していて、全然消えていない。ただテレビから消えただけなのである。そういえば、たまに地下鉄に乗ると車内のモニターで勝間を見ることがある。何かのバラエティ番組の一場面なのだが、何の番組かは定かでない。テレビからも消えてはいないようだ。

 

本書のタイトルは、『人生確率論のススメ〜運でなく、確率を支配しよう〜』というもの。本書の序盤で著者は、運の良い・悪いを決めるのは、超越的な神が決めるのではなく、自分の行動が決めると言っている。つまり運の良さ・悪さは、結果の不平等なのである。


本書で引用された通り、リチャード・ワイズマンという心理学者は、実験で、運が良いと思っている人、悪いと思っている人に宝くじを買ってもらったところ、その結果は平等だったという。

しかし、被験者の憧れの人をある店に置いて気づくか否か調べたところ、結果に違いが現れた。運が良いと思っている人は憧れの人に気づいたけれども、運が悪いと思っている人は気づかなかったのである。人を現金に変えても同じ結果であった。ここから言えるのは、運の良さを決めるのは、目の前にあるチャンスをつかむ’行動’を取れるか?ということなのだ。目の前にあるチャンスは、平等に置かれているのだが、運の良い人はそのチャンスを掴むことができるという訳だ。


勝間は、運を掴む確率を上げるためには、社交性・環境適応・積み上げが必要だと言う。確率的に良い行動を取ると運を掴めるとも言う。ここらへんは私の実体験にも通じるどころなので悪くない。あとは、確率的な行動の取り方を追求して考えると、利己的な行動を取る人は運を逃している。利他的な人ほど成功する。行動経済学的な感性に見えるが、これが真の合理性かもしれない(笑)