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【映画レビュー】 闇金ウシジマくん Part3 評価☆☆☆★★ (2016年 日本)

 

 

闇金ウシジマくん』の原作は読んだことがない。私はマンガが苦手で(といいながらマンガレビューも書いているが)、ずっと読み続けることが得意ではないからだ。小説なら長大な作品でも読めるが、マンガだと、イラストや登場人物に反発しやすいので、なかなか読み続けられない。『ウシジマくん』も、ぱらぱらとページを繰ったことはあるけれども、どうも合わなそうなのでドラマと映画版だけ見ている。映画版を全て鑑賞して、最良の作は『ザ・ファイナル』だった。『1』は鑑賞したがあまり記憶には残っていなくて、『2』が『ファイナル』と肩を並べるほど好きで、『2』が一番かと思ったが、『ファイナル』が最後の最後で足を伸ばして、ゴールした、という感じである。

 

『Part3』はぎりぎりの及第点だ。相変わらずの群像劇で、キャバ嬢に狂う一流企業の会社員のストーリー、一発逆転を狙う若者のストーリーに、丑嶋ら闇金グループが関与している。会社員を演じるのは芸人の藤森慎吾で、キャバ嬢に入れ込んで闇金にまで借金して、最後はキャバ嬢に逃げられる愚かな男を演じている。藤森は芸人としては下手ではないが普通。そんなに印象的な演じ方ではなかったので、他に適当な俳優はいなかったのかが悔やまれた。専門の俳優を出演させるべきである。

キャバ嬢を演じた女優は、清楚さとエロさが混交していて魅力的である。

 

一発逆転を狙う若者・真治を演じるのは、本郷奏多ほんごうかなたと読む)で、私は初めて見たように思う。顔は故・見沢知廉に似ている・・・が、読者の皆さんは知らないか。容貌は美形なのだが、何かこう、社会に反発しているような、ふてくされた顔立ちで私の好きなタイプの顔である(私とは、全く、似ても似つかないが)。役柄で言えば、『Part2』で窪田正孝が演じたホストに似ている。

 

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本郷奏多

 

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作家:故見沢知廉

 

真治は、上昇志向が強くて、ネットビジネスを利用して何とか一旗揚げようとしている。このネットビジネスの仕組みがあほらしい。明らかに与沢翼をイメージして、「儲かる仕組み」を商材にしているのだが、儲かる仕組みを買って自分が儲けられる訳がない。結局は虚像なのだ。ただ、真治が底辺から這い上がるために切磋琢磨している姿には共感する。ここまで動機と目指すべき方向性さえ間違っていなければ、大成しそうに思う。

ネットビジネスの仕組みがばかげているので、評価を☆2つにしようかと思ったが、映画のラスト、丑嶋が真治に投げた台詞が良くて、☆3つにしておいた。

真治は、ネットビジネスに関わり始めた頃、美しい読者モデルの女性(白石麻衣)から、「命を賭けて仕事をしているか」と聞かれて、命を賭けてネットビジネスをしたのである。結果は失敗だったが、丑嶋はそれを見ていたので、真治を褒めた訳である。真治は、丑嶋への借金も返していた。

 

読者モデルを演じた白石麻衣はかなりきれいだと思うが、演技力は大してない。浅野忠信とか西島秀俊の演技を棒読みという人がいるが、棒読みはこういう演技を言う。喋り方に抑揚がなく、役柄について持論がなさそうに見えるので、演技をした映像から個性が感じ取れないのである。

 

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