好きなものと、嫌いなもの

書評・映画レビューが中心のこだわりが強いブログです

【書評】 趣味から卒業!しっかり稼げる自宅教室の開業・集客バイブル 著者:高橋貴子 評価☆☆★★★ (日本)

著者は教室開業・集客コンサルタント

著者は22年の営業経験と、パン教室を開業して3年で人気教室へと成長させた実績を持っている。現在は教室開業・集客コンサルタントとして活動。また、電子書籍コンサルタントとしての肩書もあり、自著『プレゼントしたくなるおしゃれな天然酵母パン』を出版している。この本は「レシピ本+成形動画」というコンセプトが支持されて、AmazonKindleランキングで1位を獲得したこともあるという。

集客方法についてざっくりと教えてくれる本

本書はタイトルにもあるように集客に焦点を絞って書かれた本だ。著者が他のパン教室の講師を見ていて感じたのは「良い技術を持っていても、集客できないといけない」ということである。そこで著者は、22年の営業経験、そしてインターネットの集客ツールを駆使して集客スキルを磨いていくことになる。そして著者が出した成果は、自分が開業したパン教室を3年で人気教室に育て上げたというものだった。

「集客ツール、これが良い」という理由を数値で示すと分かりやすかった

集客ツールの活性化については、全体的にざっくりとしていてポイントを絞り切れていない印象だし、本当にこれで集客できるのか疑問に思える点も多々あった。

著者は自分のホームグラウンドをHPにするという。SNSは集客ツールとして用いHPへの呼び水にするというものだ。この考えはポイントを絞っているので分かるが、たくさんあるSNSやブログは集客ツールとしてどれを使っても良いというのは、何とかならなかったのか。私はどれを使っても良いなどということを聞きたくないのだ。

ブログならブログ、twitterならtwitterYouTubeならYouTube、インスタならインスタを使ってどのくらいのの集客を確保した。その上で「ブログとインスタ」の双方を使って集客することが良いという結論に達したので、「みなさんやってね」ということなら説得力がある。そして著者独自のポイントで書かれた集客した成果が書かれていれば尚更良い。

しかし、本書のように集客ツールは多様化しているのでどれを使うかはお任せで、ブログ、Facebook、動画活用などの集客ツールを勧める・・・ということであれば、そこらへんの無料ブログの提案と何ら変わりない。

文章術は真新しさがない

文章術については真新しさに欠ける。著者は、ブログやHPのタイトルが「興味を引かれるタイトル」にすべしと言う。「興味を引かれるタイトルか否か」でその先を読むか・読まないかが判断されてしまうというが、当たり前というか、ネットの無料記事にいくらでも転がっている指摘に過ぎない。一目見たら忘れられないキャッチコピーについても、「興味を引く」「特徴を伝える」「行動を促す」の3つの役割が大事だと言っているが、SEOを意識している文章を読んでいれば気付ける指摘であろう。

動画を使えば教室の魅力を簡単に伝えられる

動画制作については何章にも亘って文章を割いているが、これには興味を引かれた。「動画」というと一見身構えてしまいがちだが、難しくないと言う。スマホ1つで作れる時代である。ネットの読み手の立場に立ってみると、文章よりも動画の方が記事の言わんとしていることが伝わる経験を思い出すことができよう。
また、教室動画の7つのポイント「大量投稿」「誘導強化」「成約率アップ」「アフターフォロー」「チュートリアル」「ニュースレター」「ステップメールマガジン」も参考になると思う。著者が本書を通じて一貫して言っていることは集客である。教室の生徒数をいかに増やせるか?というものである。そのための動画制作のありかたは教室に留まらず、企業の営業ツールとしても活用できそうだ。