米国最大の映画の祭典アカデミー賞の受賞結果が決定しました。今年も、俺には刺激の少ない受賞結果でしたね。何だか政治色を強く感じて、本当にこれで良いのって感じ。
■作品賞 『ムーンライト』
■主演男優賞 ケイシー・アフレック『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
■監督賞 デミアン・チャゼル 『ラ・ラ・ランド』
■外国語映画賞 『セールスマン』
作品賞は人種問題やジェンダーを描いた『ムーンライト』。最多タイ14部門ノミネートの『ラ・ラ・ランド』は作品賞を受賞しませんでした。
監督賞は『ラ・ラ・ランド』のデミアン・チャゼルが受賞できました。チャゼル監督は、若干32歳というから驚きです。俺よりも年下。
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ラ・ラ・ランド
さて・・・。
助演男優賞はマハーシャラ・アリ、女優賞はビオラ・デイビス。二人とも黒人俳優です。アリの方は作品賞『ムーンライト』での受賞。
一瞬、「二人とも黒人俳優なのか」・・・と嘆息しました。もっとも、演技を見てから評価しなければなりませんが、人種差別、移民排斥のトランプ政権への批判を繰り返すアカデミー賞らしい選別と思ってしまう。どうしても政治色を感じざるを得ません。加えて、去年の俳優部門は白人一色の候補で批判を浴びたため、今年は2人の黒人俳優に助演賞を授与した、そんな構図が見えてならない。
まあ、マハシャーラ・アリは『ハウス・オブ・カード』のレミー役で鮮烈な印象を残しているので、受賞作でもこのパフォーマンスを続けたなら、受賞にも納得はいきますが・・・
ウィル・スミスさんも欠席表明 「白人一色」のアカデミー賞 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
外国語映画賞はイラン映画『セールスマン』。アーサー・ミラーの戯曲『セールスマンの死』に題材を得ているようです。
監督のファルハディと主演女優のタラネ・アリシュスティが、トランプ大統領の大統領署名に反対して、アカデミー賞授賞式への欠席を表明した、という政治的なエピソードがある本作。
はぁ、またも、反トランプのアカデミー賞が選びそうな作品という感じがしてしまう。
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これはヒラリー氏です
最多タイ14部門にノミネートされていた『ラ・ラ・ランド』は、6部門の受賞に終わりました。14のノミネート数は『タイタニック』と並びます。
作品賞を『ラ・ラ・ランド』が受賞するのではないかと思いましたが、トランプ大統領への反旗なのか、ある意味予想通りに『ムーンライト』が受賞したような印象を受けました。『ムーンライト』はアカデミー賞の前哨戦ともいえるゴールデングローブでも作品賞を受賞しているので、アカデミー作品賞を獲っても何らおかしくはないんだけど・・・ただなぁ・・・ですよ。
『ムーンライト』は人種問題、ジェンダーなどがテーマのようなので、『ラ・ラ・ランド』のようにある意味無色なミュージカル映画とは違う。どっちも観ていないのに言う資格はありませんけど、どうも無色な映画『ラ・ラ・ランド』の方が面白いような気がしてしまう笑
ちなみに、『ムーンライト』はブラピがプロデューサーを務めています。彼が以前プロデューサーを務めた『それでも夜が明ける』もアカデミー作品賞を受賞しました。どちらも人種問題を扱っていますね。ブラピは俳優として作品選びがうまいですが、プロデューサーとしても鼻が利くのでしょうかね。
『ムーンライト』のストーリーはこんな感じです。
フロリダで生まれ育った黒人少年が、自らの同性愛の芽生えと折り合いを付けながら、麻薬常習者のシングルマザーに育てられているという不遇を乗り越えようとするというストーリー
映画『ムーンライト』にアカデミー賞を──ある映画人のオープンレター|WIRED.jp
人種問題やジェンダーを盛り込んだこの作品、いかにもアカデミー賞が好きそうな作品と言う感じはします。俺は批評家ではないので、観たいと思う作品しか観ませんが、『ムーンライト』、今のところ、観たい気にはならない。
未練タラタラで申し訳ないけど、アカデミー賞を受賞しそうな『ムーンライト』ではなく『ラ・ラ・ランド』を選んで欲しかったな・・・。
まあ、『ラ・ラ・ランド』、未だ観ていませんけどね。
アカデミー賞は国際的な映画賞ではありません。日本アカデミー賞や毎日映画コンクール(*)なんかと同じ。あくまでドメスティックな映画賞。でも世界的には、3大国際映画祭を押さえて、アカデミー賞の方が知名度が高いですね。Yahoo!ニュースで、3大国際映画祭の最優秀作品賞の結果がトップに来るのって、なかなか無いですよね。宮崎駿がベルリンで獲った時は来たんでしょうが、日本映画が獲ったからということでしょうから。
(*)毎日映画コンクールは本来、邦画・洋画を問わず受賞作を決めているそうだが、受賞作が邦画ばかりなので日本アカデミー賞と並称している
何ででしょうね。やはり、米国は世界で最も売れる、ハリウッド映画を作っているからでしょうか?映画の市場も、米国は未だに世界一。影響力が大きいんでしょう。
アカデミー賞の立ち位置自体(報道のされ方)が、トランプの米国第一主義と変わらないような気がしてしまいます・・・たかが米国の映画賞じゃないか。そんなにマスコミが騒ぎたてるほどでもない。という風になって欲しいのですが。
ドメスティックな映画賞にここまで心を奪われている俺が言っても説得力がありませんがね。ダハハ!
追伸・・・撮影賞にノミネートされていた『沈黙』が受賞を逃したことについて、出演俳優の窪塚洋介のコメント
「昔から思っていることなんですけど、賞はおまけみたいなもので、一番大事なのは作品がどうだったかということ。そういう意味では何とも思っていないです」
確かにその通りで、作品がどうだったかってことが一番重要。
でも世間はそう見ませんしねえ。スコセッシ作品としては不人気だったし、賞レースにも組み込めなかったというのは、残念でしかない。
まあ世間なんかどうでもいいか、これだけ日本で窪塚が騒がれたらいいわ。次のハリウッド映画も決まっていることだし・・・あとは英語か。
てか、かっこいいな。窪塚。ファッションといいメガネに髭といい。ジャケットの裏地とタイを合わせてるのか笑
いやはや、似合うから凄い。ポール・スミスでしょうかね?