1.『A LIFE』
ストーリーは置いといて、豪華キャストが良かった。
浅野忠信が主人公のライバル役で出演し、狂気と純粋さを併せ持つ難しい役柄を演じていて、秀逸。長い前髪がをぶるんぶるんと乱れ咲き、いろいろと暴れます。読者の皆さんは知らないでしょうが、『Forcus』っていう古い映画でほぼ初めて彼を観て以来、浅野には狂った役が一番似合うと思っています。『A LIFE』では内に秘める妻への純粋な愛と、信じ切れない不信との間で、葛藤する複雑な役でしたが、見事に演じ切っています。
ドラマが良い内容なら浅野の代表作の一つになったかもしれませんが・・・
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医師というよりも経営者として暴れまわる壮大役の浅野忠信
あとは井川医師を演じた松山ケンイチが良いです。ぼんぼんの医師で、若干猪突猛進型なんですが、医師としての矜持があるので、主人公沖田医師に影響されてどんどん良い医師になっていきます。
ちょっと役の設定がお粗末だったので今ひとつ注目され難いのですが、木村文乃もまあまあでした。医師にタメ口をきく看護師ってどうなの。研修医相手じゃないんだからと、最初はうざかったけど、やり手の看護師っぽくて良かったです。あと、かわいい笑
主人公役を演じたキムタクは、今ひとつ良くなかった。筆者は、巷で言われているような「何を演じてもキムタク」という評価には反対なんだけど、演技力が物足りないとは思います。特に今回は、感情を抑えた演技に徹するのは良いんだけど、個性が全然出ていないから、主人公が浅野に見えちゃう。職人医師という設定はこなしていたけど・・・
そうそう、キムタクは、このドラマで顔がげっそりしていたんで、SMAP騒動のせいか、だいぶお痩せになられた?とビックリしたが、腕を見るとビシッと太かったんで、単に筋トレをしただけの様子。手術シーンが多いから腕が細かったりぽよぽよだと、みっともないしな。
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で、ストーリーなんですが、最初は面白いかなって思ったんだけど、「壮大の妻・深冬の脳腫瘍手術を治せるかどうか」という一本道のストーリーだけで最後まで持たせようとするのだけど、飽きちゃうよ。どうせ沖田先生が治すのだろうと分かるから、つまらない。【壮大の狂気】だけが楽しかった。そんなドラマでしたね。
院長から解任された時は「おおっ!」と今後の展開に期待したけど、最後は皆良い人で終わっちゃうんだもん。ふざけんじゃないよ。
最終話がご都合主義で、強引なハッピーエンドの展開で、特にひどかった。
ラストはわざわざ感動的なハッピーエンドにする必要はなかったでしょう。副院長の職務を院長に解任された壮大が、復職して尚且つ院長にまでなって、壮大を院長に売った羽村部長が副院長に昇進して壮大と共同経営するのですが、それらをセリフだけで説明しちゃっていました。院長にしても、壮大にしても、そして羽村部長にしても、な~んでこんなに簡単に心変わりするのか意味不明。説得力なし。
羽村部長も心底のワルになりきれておらず、退屈です。普通の感覚なら、壮大を院長に売るような裏切り者を、副院長に昇進させるなんてありえませんね。
だって、また寝首をかかれるかもしれないじゃないですか!そんな男と共同経営なんてできるわけないだろっ。
2.『東京タラレバ娘』
良いドラマかと思ってみていたけれど、ダメだった。今回見ていたドラマで一番つまらない。
何しろ、倫子の心理に一貫性がないし、傍から見ると情緒不安定のように描かれているんです。速水もこみちを好きになってみたり(正確には好きになろうとしていた)、早坂を好きになってみたり、そうかと思えば早々にKEYを好きになってみたり。なんなの?笑
こんな一貫性のない女性は見たことがないのだが。リアリティを追求しないなら構わんけど。
香も涼ちゃんのところに行っちゃうしなぁ・・・これが30代女性のリアルなの。俺の周りの女性たちはこんな現実感のない女性はいませんぜ。もうちょっとハッキリとした意思を示せる女性はいないものですかね。
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このドラマで評価できるのは、友情を大切にしているところだったんですよ。「男なんかくだらねーあたしらは女子会が大事なんだ」って言ってくれた方がまだ面白かったなぁ。もしそういう展開だったら名作と言っても良いな。女子会に始まり、女子会に終わるっていうね。別に恋愛が全てじゃないだろうに。
中盤で、倫子がKEYに、飲み屋で女子会やる楽しさをアピールしてるんですよ。俺もこれは凄く良いシーンだと思いました。だって、男だったら友達とワイワイやるなんてダサいって、かっこつけて「一人」になっちゃうでしょ笑
でも、このかっこつけが男のダメなところなんだよ。弱みを他人に見せられない。
このドラマの女性は、30過ぎてもまだ「女子」とか言ってて馬鹿だなと思うけど、でも女子会できるほど濃密な関係を、30過ぎても築けるのは良いと思う。あの女子会がなかったら東京で生きていけなかったって、倫子は言っていたが、そうだろうなあと思います。
「緊急事態発生、飲み屋に出動」みたいなSNSのメッセージがよく出ていたんですが、こんな良い関係、なかなかないですよ。男より友情を取るっていうのも良いと思うんだけどね。女子会からはじまり、女子会に終わる方が良いなぁ。でもそういう視点では描かれない。
原作を改悪したという意見もネットには転がってますんで、原作は面白いのかもしれません。
3.『相棒15』
及第点だと思います。
最終話は何の事件も起こらないし、一本調子の仲間由紀恵にイライラしましたけど、全般的に良い話が多かった。
視聴率があまり高くないとか言われてるけど、カイトくんのダークナイト事件が尾を引いているんじゃないのかな。それと、『14』がつまらなかったからでは?
『15』は全体的に「へぇ面白い」って思える内容が多かったです。筆者は、個人的にはミッチーが出ていたシリーズと同じくらい『15』は好き。
筆者の中での評価は・・・
ミッチーシリーズ > 15 > カイトくんシリーズ > 亀山薫シリーズ > 14 >>>>>>>>>>>>>>>>>ダークナイト笑
です!!!
4.『カルテット』
なんか疲れて来たんでそろそろ終わりますが、実は一番良かったのがこの『カルテット』。『最高の離婚』と同じ脚本家だそうで。あのドラマも割と好きだったなあ。そういやあれも4人組の話だし、これもそうだな。
最初はミステリーじゃなかったのに、だんだんミステリーになっていく。でも基本は軽井沢における4人組のナンセンスな言葉のやり取りってところが良かったな。
あと、筆者はこのドラマで満島ひかりのファンになりましたので・・・
巷では高橋一生フィーバーの一端かもしれませんが・・・
ああ、あと顔が好みじゃないので松たか子は好きじゃなかったけど、このドラマでは良いパフォーマンスを見せていました。このドラマでの演技は、一番良かったでしょう。松は器用で、外れがないかもしれない。
松田龍平は記憶に残らなかったな。